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2013年1月29日 (火)

宿題を考える

先日、衝撃的なニュースを読みました。フランスでは宿題を事実上廃止して、通知表は「欠点よりも進歩した点を認める評価」に改める、などの内容の教育改革を行おうとしているらしいです。この記事そのものが少し古い記事なのですがその影響で今でもフランスでは盛んな議論が行われているという事です。これは僕も知らなかったのですがフランスではそもそも、公立小学校では筆記を伴う宿題が禁止されているそうで、教科書に載っている演習問題を宿題には出す事ができないそうです。その代わりに授業で学習した内容を簡単に復習する事は許されているとの事。おそらく、この改革での目標はその復習を学校でしなさい、という事なのだと思われます。日本ではあちこちでフランスの教育のゆとり化がどうの、とか言われているようですが少し違うようですね。

僕はフランスの教育システムにあまりなじみがないのでどのぐらいフランスの学校が厳しいのかよくは知りませんが、果たしてそれでいいのだろうか?という気はします。確かに、その根本としてより平等となる事をねらって宿題の廃止を進めているとの事ですが、僕の経験上から言えば学問、特に初等教育においては反復練習が大切な事だと思うのですね。知識がないと議論はできません。でも知識を得るにはまずそれ相応の努力をしなければなりません。その為に宿題がある様な気がしてなりません。実際、一般化学を取っている一年生たちを見てもやはり宿題をしない学生の方が成績が悪く、理解度も低いという結果が出ています。知識を定着させるという意味でもやはり宿題という事は必要な事のようです。

その一方で学生の時に面白い事に気がつきました。少なくとも僕が学生だった頃、あまり「宿題」というものはありませんでした。それなりに上の学年になったら提出しなければ点数にならない宿題はあまりなく、提出したら見てはもらえるけど点数にはならないよ、という「宿題」がほとんどでした。もちろん、そういう「宿題」をしないと後でえらい目にあうのでするのですが、明日までにどれだけをしなければいけない、ではなく来週あたりまでにはこれだけしておいた方がいい、という性質の物だったのである程度の融通がきいた事は確かです。僕がそれに気がついたのはある時に当時のルームメイトと話をしていた時。当時のルームメイトの一人はビジネス・スクールの学生で聞けば毎日、どのクラスでも普通の宿題が出ていたとの事。これが今でもそうなのかどうかは定かではありませんが、少し不思議な感じがしたのをよく覚えています。三年生、四年生になってまで宿題が一杯あるってどういう事?と思えたのです。

また、もう一つフランスの教育改革に腑に落ちない事があります。こういう教育改革の背景には家庭環境の違いから家で宿題を教えられない家庭があるから、という理由があるらしいのですが、僕にはそれが腑に落ちません。僕にはそうする事が学校での教育を能力の低い生徒に合わせてしまうのではないか?という危惧があるからです。教えるレベルを一番底辺の子供に合わせたらそれよりも能力の上の子供には退屈でどうしようもない、という事が発生します。

実際、アメリカの今の公立学校教育は底辺に合わせた授業をしているのでろくな事を教えていない様です。アメリカ人にも関わらず、下手をすれば僕より英語の読解力が低い学生が時々、見かけられます。もちろん、だからこそアメリカでは少しでもいい教育を子供にさせようと思ったら私立の学校に送る、という事になったり、少しでもいい学区に住んだりとなるのですが…。

ただ、フランスの教育改革には少なくとも建前としては移民などの子供たちへの配慮などから家で勉強をさせない様に、との事で宿題を廃止にしたい、との事。そういう取り組みは大したものだな、と思います。実はアメリカはそういった移民の子供たちはやはり家で勉強を親に見てもらえないから、という問題が存在する様です。当然、そうやって宿題をしないと落ち込れになってしまって貧困層からの脱出ができなくなってしまう、という事があるらしいです。しかもこれで恐ろしいのがそういう問題がアメリカでは不法移民はおろか、合法移民の間でも一部では存在しているらしいです。

しかしここだけの話ですが僕みたいに子供の頃に宿題という物をあまりしなかった人間が大きな事を言う事ができる立場ではないのかもしれません…。今から思えば小学校の頃はロクに宿題をしませんでしたから…。あの時にもう少し勉強していたらもう少し違った人生だったのかなぁ、と時々考えてしまいますが、でもそうだったらきっと今がなくもしかしたら面白くもない人生を歩んでいたのかも、と思うとそれだけが人生でもないのだろうな、という気にはなります(でもきっと、ここで、という所での勉強は必要なのでしょうね、とも思いますけど)。

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