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2013年2月 9日 (土)

学生の研究

うちの大学の理科系の学生で研究をしている学生はそれなりにいます。実はアメリカの大学のシステムは日本の大学のシステムと大きく異なり、卒論なる物が存在しません。従って、基本的には学生は授業に行ってその成果に寄って成績をもらって卒業するのが一般的です。ところがそれとは関係なしに研究をする事も可能です。当然、そのような研究も単位として取っていればその成果に寄って成績がつきます。またそうやって研究をした方が将来、進学や就職で有利になる事も多いのでその為に研究をする学生もいます。特に化学専攻の学生には研究を単位として取る学生が多く、その為に我々職員もその分だけ仕事が増える事になります。

化学専攻の学生で研究を取る学生が多いのは実はうちの学部では何種類かの学位があり、そのうちの二つ程で研究を三単位以上取らないと学位がもらえない、というシステムになっているからです。そして研究の必要のない学位との差が研究を除けば一クラス程度しかない上に研究をすれば卒業には必要なくてもそれはそれで単位として勘定されるのでそうなるともうちょっと頑張ってもう一クラス取った方がいいだろう、とみんな思うからです。

実は僕も学生の時、単純にそういう理由でBS in Chemistryをもらいました。実は僕は三年生の後期までそういう事を全く考えていなくて三年生の春にアドバイザーの先生と話をしていてどうするか?と聞かれた時にどうせ一クラスだけ余分に取ればいいのなら、という事でそちらの学位をもらう方向に進みました。当時と今では若干、課目の編成があったので多少違いますが、僕の場合は特にその「もう一クラス」をたまたま取る事にした数学の授業の単位が使える事を知り(アドバイザーに言われるまで考えもしませんでした)、では研究だけをすればいい、との事で決定しました。

その後、数人の先生と話をして結局、BS師匠の元でその時は金属メッキの研究をしました。単純にはある手法で亜鉛のメッキを銅の上にかけるわけですが、本来ならできないはずにもかかわらずなぜかメッキができる、という現象の研究をしました。途中で亜鉛のメッキは導体である限りはどんなものにでもかける事ができる事が実証できて、更にその過程で水溶液中の超微量の銅も同時にメッキができる事が判明したりといろいろと面白い発見はしました。本当は亜鉛のメッキをかけた試料を電子顕微鏡で見てみたいのですが残念ながら電子顕微鏡が手元にないのでそれ以来ほとんど何もしてはいません…。

もちろん、最近では僕の方が研究の指導をする立場にいます。本職の化学の方はずいぶん前に書いた様にメキシコ湾からの海底土壌と魚の肝臓の多環芳香族炭化水素の検出にかかわっています。と言っても昨年は学生がいなかったのと時間の関係でほとんど何もできてはいないのですけど…。しかし、今学期は一人、学生がいます。四年生の学生なので先は短いですが、その代わりに機器分析を取っているのであまり細かい説明をしなくても大丈夫な所は楽です。だいたい、大まかに説明をすればそれで後は手取り足取りとしなくても大丈夫なのである意味、楽ではあります。この学生からどのような結果が出るかはまだ先でわかりませんが、うまく行ってくれる事を期待しています。

さて、もう一つの研究はBNLとCERNの研究です。こちらは当然の様に物理学の研究ですが僕のやっている事は検出器の制御なのでやっている事にはほとんど物理学はありません。さて、このうちのBNLの研究の方は先月から二人、新しい学生を抱える事になりました。実は制御系の方で学生の面倒を見るのは久しぶりの事になります。この事はこちらでも少し書いていますね。実はこの二人はこれで数週間、面倒を見ているのですがこの二人、いままで面倒を見たどの学生よりも真面目に課題をこなしてくれます。彼らよりも真面目にやったのは前のポスドクのD君だけ。でもD君は学生ではなかったし、色々な経験があったのでそれも当たり前といえば当たり前の話です。

どのぐらい真面目にやってくれているか?例えば先週与えた課題、それほど難しい事ではありませんが、簡単な事でもありません。僕は一週間ではどちらもできないから今週、少し助けてあげてできるかな?と思ったら二人ともどちらもちゃんと課題をこなしています。実はそうはならないだろうと思っていたので次に何をするかまでは考えてなかったので次に何をさせるかしばし考える事になってしまいました。まあ以前、他の学生にやらせた事があるのでそれをやらせる事にしましたけど。こういう事が起らないように二週間分ぐらいの予定を立てておかなければ、と思いました。まあこちらとしてもやりがいがあってよろしいですけど…。

研究をしている学生のほとんどはその結果をそのうちどこかで発表したりします。そのレベルも単純な学内のレベルの学生研究の発表会や州内の大学生の発表会(どちらもあまりプレッシャーのかからない発表会です)から全国レベルの発表会までいろいろなレベルはあります。このあたりは学生の研究結果の質と時間の兼ね合いや予算の余裕によったりしますけど…。またその学生の研究を元に僕たち指導者が論文を書いたり、という事も当然あります(当然、研究に加わった学生の名前も論文に載ります)。今回の物理の二人の学生は州の大学生の発表会を四月の半ばにして、彼らの研究の進み具合などを元に僕が四月の終わりにオックスフォードで発表する予定になっています。

その一方で、化学の学生の方は発表はいつになるかまだ未定…。四月の州の大学生の発表会はもう締め切りが過ぎたし、学内の発表会は三月なのでまだ十分な結果があるとは到底思えません。四月か五月頃にようやく十分な結果が出るかと思うとどうなる事やら…。まあこちらの方は環境学にもからんでいるのでどうにかなるか?とも思うのですが…。まあ何とかなるでしょう、きっと。

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