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2013年3月16日 (土)

英語にならない日本語(その2)

ずいぶん前に一度英語にならない日本語の話を書いています。今日はその続き。以前に書いた時は英語にならない日本語と日本語にならない英語と両方を書いたのであまり英語にならない日本語についてはそれほど書いていません。書いたのは擬音、擬態、敬語や後は英語にすると何となくしっくりした言葉にならない表現などですね。

他にもいくつか英語にならない日本語があります。例えば最近、僕が英語でどうしてもうまく表現できないで困るのが「悔しい」という感情。これは英語には基本的には存在しない感情の様で、しっくりした言葉が英語にはありません。これはおそらく、日本語で「悔しい」と表現される感情とは実はいくつかの異なった感情のの事を総称しているからではないか?と思われます。

例えば試合に負けて「悔しい」と思うのは自分の力が及ばずに勝てなかった無念さと自分の力が足りなかった事に頭に来ているのに対して人に馬鹿にされて「悔しい」と思うのはその人に対して頭に来るのと恥ずかしい想いをしている事と考えられます。そうなると日本語でひとくくりにされる「悔しい」という感情は英語で表現をしようと思ったらなかなかしっくりした言葉にならないという事だと思われます。

他にも英語にならない日本語がいくつかあります。例えば「ゆとり」とか「もったいない」とかもなかなかしっかりした英語がありません。これらもやはりその状況によって意味が少し違うので表現がどうしても変わってしまい、何となくしっくりしない英語にしかならない物です

また概念そのものがあまり一般的でないのか「甘える」とか「懐かしい」という表現そのものは基本的には英語にはない様です。確かに、「懐かしい」はnostalgicという表現があるのですがあまり一般的に使われる言葉でもなく、「ああ、それなつかしい!」を"It is so nostalgic!" という事は普通はありえません。別に間違った表現ではありませんが普通は誰も言わない表現である事は間違いありません。「甘える」も同じで、例えばplayfulという表現がありますが小さな子供が親に甘えるという表現はそれでまだかろうじてなんとかなってもplayfulでは「好意に甘えて」という表現はできません。そもそも、「好意に甘える」という表現がちょっと僕には思いつきません。

もっと英語にはない概念の日本語で「先輩」、「後輩」があります。この手の上下関係は日本ではたいへん重要な事なのですがアメリカではそういう概念が全くないので表現する方法すら基本的にはありません。同じ理屈で「同期」という概念もありません。特にアメリカでは基本的には日本と違って就職時期が特に決まっているわけではなくて基本的にみなさん中途採用なのでそもそも「同期」という事はありえません。

また、「上司」、「部下」という区別も概念こそは存在しても実際には希薄なので実際にそういう言葉が日本語と同じ様に使われているのをあまり聞く事はありません。bossという言葉は一般にそのグループの一番上の人を差す言葉ですから上司と同じではありません。Superiorという言葉はありますがこれはあまり一般に使われない言葉となります。強いていえばsenorityという言葉があるのですがこれは上下関係を差す言葉ですから「上司」という名詞ではないので少し違いますし注意をしなければなりません。これはこれで実は結構、便利な話で職場の関係がプライベートでそのままと言う事もなく、プライベートでは基本的に個人的な付き合いができるのは気楽ではあります。

このあたりはやはり以前にも書いた様に文化的な違いが表現の違いになっているのでまあ英語でそういう表現がないのは不思議ではありません。特に日本語は基本的には日本以外のどこでも使われていません。従って、日本語は日本の文化と深い結びつきがある言葉なのでどうしてもそういう文化的なところが出て来るのだろうな、と思います。そう考えると明治、大正時代に英語導入を本気で考えていた当時の偉い人たちの一部は何を考えていたのだろうな?と言う気になってなりません。また、エスペラント語の様な人工言語が普及していないのも何となく理解できるような気もします…。

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