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2013年8月22日 (木)

夏が終わって新学期

オマハに復帰してしばらくになりました。この夏は結果的にはかなり長い間、オマハを留守にしてしまう事になりました。本当は三週間程度のはずだったのですけど…。さて、留守にしていた間に何かあったのか?結論から言えば職場では大した事があったわけではなさそうだ、という話でした。まあ一大事があったのなら誰かが僕に連絡をして来るはずなのですが…。

それでも予想外の事態はある程度職場で発生した様で、例えば先日、秋学期に使う原子吸光計に使われているホロカソードランプという光源(と言えば格好がいいですが単純に言えば電球の様なものですが一本あたり四〜五万円するとなると馬鹿にはできません)が壊されてしまっていたり、なぜか実験室にどこからともなく使い古しの蛍光灯が出て来ていたり、といくつかの問題があった様です。他にも廊下の突き当たりに置いてあった机が盗まれたりという事もあった様で、いったいどうなっているの?と思わざるをえない事がいくつかあった様です。

別に僕がいなくても学部は周っていくのですがどうもみんなどうでもいいと思っているのかそれともそこまで注意をはらわないのかビックリしてしまう様な事があります。例えば、僕が職場に復帰したその日、会議室は使われていなかったのですが会議室のドアに鍵がかかっていません。実は会議室ではよくそういう事があるので僕は毎日帰る前に必ず会議室のドアの確認をする様にしているのですが僕がいないともうダメの様です。一体、何日ぐらい鍵がかけてなかったのだろう?と不思議でなりませんでした。そういう戸締まりの問題はなぜか他のみなさんは誰も気にしないのか危機管理がないのか…。

考えてみると、八月に入るまで日本にいたのは近年では珍しく、2007年に父の健康がいよいよおかしくなり、いつ死んでもわからない状態になってからその時の準備、および葬式とその後の始末に金沢に向かったのが最後になります。もちろん、その時はそうなる可能性が高い事が最初からある程度わかっていたので七月の頭ぐらいまでには秋学期の準備をほぼ全部済ませていたのですが今回は七月の半ばにはアメリカに戻ると思っていたら八月の頭まで伸びてしまったのでアメリカに戻ってから秋学期の開始まであまり時間がありません。幸か不幸か水曜日から始まる最初の週は教えない事に予定を組む事に今年からしたので数日の余裕ができました。もっとも昨年あたりから一週間程夏休みが短くなったのであまり違いがないという話もありますが…。もっとも、同じ機器分析を共同で教えている残り二人の同僚もあまり真面目に準備をしていない様で、僕は自分が担当の分析実験の学生用の試料を週末に一つ終了させて週に入ってからもう一つ終了させているのですが他の二人は週末の段階ではまだ何も手をつけていない状態で…。とりあえず僕は自分が最後でなければいいや、と思ってもいます。

留守の間に職場で一番、問題となるのがNMRの液体ヘリウムの注入です。NMRはその構造上、超伝導磁石をつかっています。超伝導磁石はその性質上、基本的には10ケルビン、すなわちマイナス263度程度まで温度を下げなければ超伝導になりません。その為に冷却剤として液体ヘリウムを使う必要性があります。この液体ヘリウムの注入は単純に注ぎ込む事ができず、特殊な注入管を使って注入する事になります。実はうちの学部でそのやり方を知っているのは基本的にはMH先生と僕の二人だけ。僕がヨーロッパにいた頃にEH先生も手伝った事はあるのですが基本的にはずっとMH先生と二人だけでやってきています。二人ともずいぶん長い事やっているのでまあ熟知はしているのですが毎回、ある程度の緊張はします。で、この作業をだいたい八、九週間に一度行わなければなりません。今回は運良く、僕が日本にいたのはちょうどその間の時期で六月に日本に行く直前に一度やって、帰って来てしばらくしてから次のヘリウムの注入を、とまるでヘリウムの注入に合わせて予定を立てたかの様にちょうどにアメリカに復帰する事になりました。これはまあうまく言った事の一つ。

そうこうするうちに今日からもう授業です。今年はやはり不景気の影響か、大学進学者の数が全体的に少ないらしく、うちは私立だから授業料が州大よりも高いのでやはり一年生は数が少ないそうです。昨年などは少なくはなかったのですが数を無理にそろえようとしたのか昨年の一年生は噂ではあまり出来がよくなかったらしい(どうやら本来は切られる程、出来の悪い学生まで入学許可したらしい)ですから数が少なくても成績がちゃんとしていたらそれはそれでいいのではないか?という気もしますがどうなる事やら。僕は四年生が担当ですからまだ数年はわかりませんね。

そういう「数を合わせる為に入学させた出来の悪い学生」の話は昨日の職員会議でも話が出てきて、「金持ちの白人の馬鹿学生ばかりではダメだ」と大学のあるエラい人が言ったとか言わなかったとか…。まあそれも問題発言なのですが…。ただ、大学の方でもなんとかもっと学生の数を増やそう、という事らしく、どこぞのコンサルティング会社と契約を結んで数年のうちに大学全体で学生の数を年間にして数百人増やす、という話があるらしいです。その数百人のうちの半分以上はビジネス・スクール、という事ですが残りの大部分はこちらにやって来ます。そうなると今度は教える人数が増える事になります。そうなると人手が足りなくならないか?という危惧があるのですが…。さらには人を雇ってもオフィスも実験室も無いのでは雇うに雇えませんし…。そういう事を考えて欲しいのですがどうなる事やら…。

さて留守の間、家の方では今年の夏はそれほど暑くなかったらしく、基本的にはそれほど庭の状態も悪くはなっていません。今年はいつも芝刈りを頼んである友人の息子さんが春スキーで足を怪我したので代わりに友人(ようするにお父さん)が代わりに芝刈りをする事に。もっとも、七月の半ばからは雨が降っていないので芝も伸びなくなった、との事。しかし昨年の夏の猛暑で枯れた芝の代わりに春先に蒔いた芝の種はほぼ全滅。仕方がないからまた蒔き直す事になりました。やれやれ。他にも僕が留守の間に大家(友人です)が知り合いの子に家の周りの世話を頼んだらしいのですがこの子がまた抜けているというか何というか…。実は帰って来た日にまずは車のエンジンがちゃんとかかるかを確認しに外に出たらガレージが開きっぱなし…。たまたま外に立っていた隣人に聞いたら「ああ、一昨日やってきた外回りの手入れをしていた子が開けっ放しにしてそれっきりだよ」との事。実はホームオートメーションの一環として外から開け閉めもできるはずなのですが知らなかったし、まさかガレージがそんなに長く開けっ放しになっているとは考えもしませんでした…。先日、その子に実際に会ったのですがまあいい子ですがやはり抜けているようで、仕事をかなり半チャボにして帰って行きました…。まあアメリカらしいと言えばアメリカらしい話ですし、大家もそういう人ですからこっちはただ単に苦笑いですね。

ともあれ、今日から授業が始まりました。最初の日はさすがにそれほど大した事をしない授業が多いのですがその反面、あちこちで教室が移動されたりして、という問題もあったりもしたようです(まあ毎年の事なのですが)。他にも教室がどこにあるのかを事前に確認してない学生がいるので「XX号室はどこですか?」という質問を今日は何回訊かれた事か。まあこれも毎年の話。

授業は今日から始まったのですがスケジュールの関係上、僕の教えている機器分析の実験はこの秋からはこの水曜日始まりの半端な一週目を教えない事にして月曜日始まりにしたので若干、今日は楽かな?と思っていたのですが実際には今日やろう、と思っていた分析が何度やってもうまくいかず、エラい低い数値しか出て来ません。最初は薬品が古くなって水を吸ったからか?と思って作り直したりしましたがそうではないようで一体なにがあったのかわからない状態…。最後の手段として分析計の調整をして、という事が可能なので明日、その対応をする予定にして今日は七時頃まで職場でへばっていました。朝の六時からなのでさすがに十三時間になるときつい…。ある意味、教えなくていい分だけ忙しかった様な気がします…。週末はまた仕事ですね、この調子だと。

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