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2014年9月 8日 (月)

英語の発音

しばらく前にこういう記事を読みました。まあタイトルその通りの事が書いてあります。この99%という数値をどのように調べて導き出されたのか全くわかりませんがいわゆる「帰国子女」でも妙な発音をしている人、というのは少なくないと思います。実際、僕の英語もかなり訛っていますし、発音が難しい音が英語にはまだたくさんありますから…。

ただ僕はこの記事を読んでかなり違和感を感じました。例えば、こういう事が書かれています。「ご主人の海外赴任について9年間もアメリカで生活していたのに、『Sure.(もちろん)』の発音が[ʃʊɚ]だと気づかなかったというのです。彼女は9年のあいだずっと『シュア』と発音していました。当然、まわりのネイティブは彼女の英語をほとんど理解できなかったでしょう」この最後の部分にかなり僕は違和感を感じました。「まわりのネイティブは彼女の英語をほとんど理解できなかった」だろう、と裏付けもなく断定しているのです。

他にも違和感を感じた事があります。「正確な発音」としていますがいったい何を持って「正確」なのか?という事です。アメリカですら西海岸と東海岸と中西部では発音が異なる場合があります。南部訛りなどは確実に違う発音です。方言性が少ないアメリカ英語ですらこの状態。イギリス英語になるともっと地域差があります。そういう事実があるにもかかわらず、どこにも「正確な英語」がいったい何であるのかが明言されていません。

確かに英語には間違った発音は存在します。例えばappleを「アップル」、すなわち"appuru"と発音すればこれは間違っていて通じる事はありません。日本語は基本的に母音が子音の後にあります。そのため"l"だけを単体で発音するのが難しく、どうしても「ウ」をつけてしまう。さらに日本語の「ら行」は英語の"l"と"r"の中間なので厳密にはどちらでもない(がどちらかと言えば普通は"r"に近い発音になります)。その為にappleを「アップル」と発音すると明らかに間違った発音になり通じない。

日本語にない音は英語にはそれなりにあってその有名なところが例えば"th"の音などになります。これは実際に僕も高校生で始めてアメリカに来た時にbathのthの発音ができず、bas(そもそもそういう単語がない)もしくはbusと発音して通じなかった事はあったのをよく覚えています。他に意外に盲点なのが"w"とか(日本語の「わ」とは音が違うのです)があったりもします。そうして考えると間違った発音という物は確実に存在します。

ただ、その一方で先にも書いた様に発音はそれほどきっちりと決まったものでもない、という事実があります。例えばoftenという単語。おそらく日本の英語教育でこの"t"を発音しない様に、と習ったと思います。ところが実際にアメリカ人の発音を聞いているとこの"t"を発音する人が結構いるのです。それも普通の人だけではなくてテレビのニュースのキャスターですらそうです。実はこの"t"を発音するかどうか?というのはそれなりに議論される事でネットで調べるとまあそれなりに「"t"を発音するか?」という議論がされています。結論から言えば、現代アメリカ英語では「どちらも正しい」というのが実情の様ですがこの二十年程の間に"t"を発音する人の数が増えている様だ、という意見をよく聞きます(ちなみに僕は"t"を発音しません)。

調べてみるとこの記事を書かれた竹内真生子さんってエースネイティブ発音リスニングスピーチ研修所(エラい名前が長いなぁ…)の代表の方らしいです。この英会話スクールのアプローチは間違ってはいないのだろうな、と思います。例えば「文法革命」として文法にとらわれない教え方をしていたり間違った発音を矯正する、という事などは正しい事だと思います。ただ実際にこの方が言う様に発音が上手くなったら英語が上手くなるのか?という事には疑問があります。こちらのページにそれらしき事が書かれているのですがそもそもこの場合に成長会計モデルを使っていいのかが明らかではありません。さらに文法と語彙は「それぞれ発音学習の影響を受ける」とありますがその根拠が明らかになっていません。確かに相乗効果はあるのであろう事は容易に想像できますが発音ができなくても文法と語彙を学ぶ事は不可能ではないと思われます。基本的にはこのページに書かれている事はこじつけ。手法としては疑似科学で行われている事と何の違いもない、と僕には感じられてなりませんけど…。

さて、アメリカ英語の違いについてしばらく前に面白い物をネットで見ました。日本人にはちょっと敷居が高いかと思いますが、発音や言い回しでアメリカのどこの土地の英語と自分の英語が近いか、という事を教えてくれるものです。僕にとって興味深かったのは僕が実際にやってみたら僕の英語の発音の近い所の一つがニューヨーク州のロチェスター近郊。実はこれには僕はかなりビックリしました。僕の英語のルーツは高校生の頃に一年間過ごしたニューヨーク州のキャナンディグアだという事のある意味での証明になるわけです(つまり僕は割と東部訛りの英語を話しているらしいです)。

個人的には日本の英語教育を受けて英語が話せないのはそもそも教員の問題もあるしアプローチが間違っているのではないか?と思います。日本の英語の教え方は「こういう時にはこう言う言い方をする」という教え方をしているのでその想定以外の事になると対応ができない、という事から既に問題があるのだと思います。まあここまでの極論は言いませんが本気で日本の英語教育を見直すのならば英語の先生の能力の見直しをする必要性はあるのではないか?という気はしてなりません。

ただ、現実的な問題として母国語として学ばない限りはどうしても訛りは残ります。もうそれはどうしようもない事です。例えばアーノルド・シュワルツェネッガーの英語は明らかに訛っています。それでも役者としても政治家としても問題があったわけではありません。だから必ずしも「正確な発音」にこだわる必要性はないのだろうな、と僕には思えてなりません。そういう意味でも英語を話す上で一番大切なのは間違える事を恥と思わない姿勢なのではないかな?という気がしてなりません…。

前にも一度その様な事を書きましたが、僕はいっその事、開き直って「日本人は英語は話せません」としてしまって第一外国語で英語を教えるのを止めてしまってスペイン語を教えるのが一番合理的だと思うのですけど…。英語が本当に必要な人は英語を何らかの別の方法でどうせ学ぶわけですから別に学校教育にはこだわらなくてもいい。でも外国語を文化もひっくるめて学ぶとなると日本語に発音も近くて世界中で話されているスペイン語を教えるのが理屈に合っていると僕は思うのですが…。

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