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2015年3月23日 (月)

化学のショーのリハーサル(2015年春)

また今年も春になりました。化学のショーの季節です。今年はなんと20周年にあたる節目の年。初めて行われたのがちょうど二十年前の1995年の春なのですね。その当時はキャストもたった四人。音楽もテープを使っていたそうでそれと比べるとずいぶんと様変わりしたものです。もっともデモでもその当時からあまり変化がない物もいくつかあったりもしていますが…。

さて今回のショーは一応、Lil' Jays Weekendというまあいわば学生の弟たちや妹たちをキャンパスに呼んで楽しんでもらおう、という週末のイベントの一部なのですが実際の所はやりたいからやるだけです。今回は特にLil' Jaysの方から依頼はなかったのですがそれに合わせて行う事にしているのです。また今回からはこれまで19.5年の間、ショーを引っ張って来たGM先生がショーからは引退する事を決めたので総監督は僕。GM先生が引退してもショーは健在だよ、という事を証明する意味もあるな、と思ったのです。

さて、今回の一番の問題は練習の時間です。練習をするのは当然、学生と監督の時間が合う時になるのですがこれがなかなか時間を合わせる事ができずだいたい全部の題目の練習に十日から二週間程度かかるのが普通です。やろうと思ったら十日ていどでできない事もないのですがかなり厳しくなります。

先週が春休みで学生たちがいなかった(学生どころか僕もいなかった)のでその週に練習ができないのでそれを考慮して早めにキャストの募集をしてキャストの発表、だったのですが今回はそもそもキャストを集めるのに時間がかかってしまい結局、春休みの始まる直前にキャストの発表となってしまいました。そのために最初から若干の遅れが生じる事に。

一応、監督のパートナーのEH先生が春休みの間にどこにも行かない学生を集めて練習をいくつかする、との話だったのですが実際に蓋を開けてみたら案の定、春休みの週の木曜日までに全く動向は無し。結局、二つぐらい練習があったような無かった様な程度。まあそういう物であろうと予測はしていましたが…。

CERNへの出張に行きたくなかった理由の一つはまさにこれです。まあ予測がついていた事でもありますし、今さらジタバタしてもどうしようもない。やる事をやるしかないだろう、という感じで今週は明けました。それでもその話を知っている彼女にはCERNから帰ってきた翌日(日曜日)の昼のデートで「士気が無くなって励ましてほしい時はいつでも会いに来てね」と優しい言葉をかけてもらいました。

さて練習は予測通り難航をします。そもそもあれだけ再三、「自己練習をする様に」と言っておいてもやらない学生はやりません…。EH先生も僕や(引退した)GM先生ほど熱心ではないので(少なくともやっている事に熱意は感じません)練習は最終的には僕の手にゆだねられる事が多くなります。家族がいる、という理由で夜はなかなか身動きが取れませんし早朝は早朝で…、となります。この件に関しては僕はそういう物だ、ととっくの昔に諦めています。僕はやらなければならない時は何が何でもやり遂げるしそのためには睡眠時間も削りますし早朝から深夜まで働くという事もします。その辺りの考え方はやはり日本的なのですよね、ある意味。アメリカ人であるEH先生とかはそうではありません…。

もっともこれも面白い話で例えばGM先生などはそういう考え方はかなり僕に近い。また僕の彼女もそれについて先日話をしていたら「でも家族がいるから仕事をしなくてその分の仕事が家族のいない人に廻って来るってやっぱりおかしいと思わない?」と言っていました。確かにその通りなのですよね。僕もその疑問はずいぶん前から持ってはいました。が、その一方でやらなければならない事はやらなければならない事なのでそうなると僕は「何があろうがやる」となるわけです。

ただこれまでと今回の一番の違いは僕には彼女がいてその彼女との時間も大切だ、という事。先週、CERNで友人のS君と話をしていた時にS君が「でもそこで仕事を取らずに彼女を取ったら喜んでくれるのでは?」という事を僕に言っていましたが実際には僕の彼女はそうではないのですね。彼女のスタンスは僕たちは二人ともプロフェッショナルだからお互いのために自分のキャリアを犠牲にしてはならない、というスタンス。僕もそれは同じで彼女の仕事に邪魔になる存在にはなりたくありません。その上で僕が何とか帳尻を合わせて彼女との時間を無理をしてでも作る、という方が僕たちらしいな、と思います。

それでもどうしても少しながらも無理は積もっていきます。その上で木曜日にEH先生が体の具合が悪く医者に行ったらインフルエンザと診断をされます。インフルエンザという事は少なくとも三、四日は安静。日曜日に迫ったリハーサルに参加はできないという事になります。その段階でリハーサル許可がでていた題目は半分以下。いったいどうやって練習をするの?と気の遠くなるような事態です。

その日は彼女は六時まで授業があるので彼女の授業が終わった段階で彼女のオフィスにしばらく会いに行ってきました。なんとなく弱い自分が嫌だったのだけど一人ではどうしようもない、そういう気分だったのです。また無理に時間を作るために金曜日のデートを止めようか?とも思っていたのです。実際に彼女と話をしてすぐに気分は落ち着きました。彼女は僕に「学生たちってあなたがいてどれだけ幸せなのかわかっているのかな?」との事。朝六時から職場に来ていて夕方六時頃まで毎日、必要とあれば夜まで仕事をする人って多分他にはいないはず。それは前から僕も時折、そう思っていた事なのですがそれを彼女が僕に言ってくれる、それだけでずいぶんと元気が出ました。

また彼女は僕に「明日(金曜日)のデートを自分へのご褒美と思ってがんばろうよ」と言ってくれました。彼女のその言葉を聞いてデートを日曜日に動かせるかを聞くのを止めました。基本的には常に前向きでいる様にしているのですがストレスが溜まると必ずしも前向きになれなくなります。でもその彼女の一言で本当にその時は救われました。彼女は僕の事を理解してくれているな、僕の事を愛してくれているな、と実感したそんなひと時でした。

金曜日は日中、講堂が使える時に練習をいくつかして夕方は早めに退散。夜は彼女とデート。その為に今回こそは学生たちに「今日は僕が予定あるから練習はなし。やりたかったら自主練して」となります。元々は金曜日はEH先生が担当してくれるはずだったのですがこうなったらどうしようもありません。今回に関しては僕の方でも学生が「デートがあるから今日は練習ができない」という理由で練習が延期になった事が何度もあるので学生が僕にそれをするなら僕も学生にそれをできていいだろう、という理屈で僕も金曜日のデートを決行する事にしました。結果的には金曜日のデートはやってよかったと思っています。彼女にもっと元気をもらいましたしまた一つ、彼女と近くなれたそんな気がします。

さてその翌日の土曜日、リハーサル前日は午前中に練習。それから夕方まで時間があって夕方から夜にかけてまた練習。午後は時間があったのでしばらく家に帰って家の周りの仕事をしました。明けた日曜日は早朝から職場へ。十一時からのリハーサルなのですが学生たちが現れたのはだいたい十時半前ぐらい…。ちょっと出だしが遅いのが問題でしたがそれでも予想外に順調に進み、十二時半過ぎにリハーサルを開始。リハーサルはまずはもう一度練習の様な事をしてそれから本番のリハーサル。全部終わったのが三時前なのでまあまあの時間に終わらせる事ができました。GM先生が指揮をとっているとそうはいかず、なんのかんの言って終了はおそらく四時半すぎになったのであろう、と考えるとコンパクトに纏める事ができました。リハーサル自体はあまり練習をしていない割には悪くはありませんでしたがそれほどできのいいリハーサルでもありませんでした。いくつか「明らかな問題」もありましたし…。それでも全部が終わって気分爽快でした。後は土曜日の夜の本番だけだな…。

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